この曇り空は私と似ていた
私がそう言うと、生徒はぞろぞろと自分の席から立ち上がる。

その中に一人、つまらなそうな顔をしてめんどくさそうに立ち上がる少女がいた。

窓の外を見てみればどんよりとした曇り空が広がっていた。

なんだか記憶を思い出す前の私と似ているな。

私はそう思いながら、微笑みを浮かべた。

今の私を空模様で例えれば、迷いなく快晴と言うだろう。自分で言うのもなんだが、時々日記に友達の愚痴を殴り書きしてストレス発散をしている、頼りがいのある数学教師だ。

私の新たな日々はここから始まる。

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