この曇り空は私と似ていた
私も鞄を机の横に置き、頬杖をつく。

「そろそろお待ちかねの期末テストが近づいてきました」

浜崎先生は少し楽しそうな口調で言った。

期末テストなんて誰も待ってるわけがないと思いながらも私はいつも持ってきている本を開け始める。

「ということで、範囲表を配りまーす」

浜崎先生はさっきと同様、楽しそうにそう言って範囲表を配り始めた。

配られた範囲表にはそのテストまでにやってくる提出物が教科ごとに書いてあった。

幸いなことに得意としているところがあったので胸を撫で下ろす。

それでももちろん、テスト勉強はしない。理由はひとつ。めんどくさいからだ。

私はその範囲表をスルーして本を読み始めた。


その日の放課後。私は委員の仕事で図書室へ行った。

別にやりたくて入ったわけではないのだけれど、四月の委員決めの時に浜崎先生が独断で決めてしまったのでこうなった。

幸いなことに私は中一の頃に母から本を薦められて大好きになっていた。今ではざっと数えて五十冊くらい持っている。

図書室に入ると、所狭しと並んだ本棚を見て借りたい本を探している人。長机の椅子に座って本を読んだり勉強をしている人がいた。
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