この曇り空は私と似ていた
また全身は震えと恐怖に包まれる。

私はおそるおそる自分の席に向かった。

すると、

どうしたことだろうかと私は目を見開く。

机に置いてあった筆箱も鞄も跡形もなく、なくなっていたのだ。

どこかに置き忘れたかといえばそんな覚えはもちろんない。誰かに盗まれたとかそう考えるのが合理的だろう。

七生と陽果はというと、教室にはいなかった。昼休み中ということもあり、どこかでお弁当でも食べているのだろう。

そう考えると、仲間外れにされたような気がしてさらに恐怖が増した。

美華吏はというと、心配そうにこちらを見ている。

そのことに胸がドキリと鳴った。

幸いなことに美華吏の周りには誰もいなくてそれが逆に異様に感じた。

一体、どうして数日のうちにこうなってしまったのだろうか。

私は頭の中にクエスチョンマークを浮かべながらも仕方なく鞄を探しに行った。

鞄がなくなったとか母にばれたらごちゃごちゃ言われそうな予感しかしないからだ。

とはいえ、どこにあるのかもわからない。

だからといって助けを頼むわけにもいかない。
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