この曇り空は私と似ていた
こんな状況では助けてくれる人はおろか、気にかけてくれる人すらもいないだろう。

私はため息をつき、手当たり次第探すことにした。

時間をかけて隅から隅まで探し混む。

こっちにもない。あっちにもない。ここにも……ない。

私はため息をついた。

一体どこにあるのよ?全然見つからないじゃない。

さすがにこんなことをしているのもうんざりしてきて私はその時にいた音楽室の前で座り込んだ。

もうとっくに昼休みは終わっていて、今は五時間目が始まって三十分経ったぐらいだ。

「なぁ、清加」

ふと誰かに声をかけられて私は顔を上げる。

すると、鞄を肩にかけている美華吏がいた。

おかしい。今は授業中のはず。なのに……どうして……?

「鞄、探してたんだろ?あと筆箱と上履きも」

美華吏はそう言って私の近くに鞄と筆箱と上履きを置いてくれた。

その姿を見て私は頭の中がむしゃくしゃする。

元からダメな人間なんだから放っておけばいいのに。探してくれなくたっていいのに。

「どうして……?」

私はやっぱり気になって聞いてみた。
< 34 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop