この曇り空は私と似ていた
「じゃあ、俺は六時間目に行くよ。お前は図書室で過ごしてろ。また終わったら来てやるから」

美華吏は穏やかな口調でそう言って、音楽室を出ていった。

また来てやるからと言われても、放課後は勉強会してるからどうせそうなるじゃないと思いながら、私は窓から空を眺めた。

今日の空は快晴に近い。雲が所々にぽつぽつとあって、それは一つ一つ大きさに違いがあり、ユニークと感じた。

私は上履きを履いて筆箱を鞄の中に入れて持ち、音楽室を後にした。


翌日。

朝の眩しい日差しで重たい瞼を開けば、厄介なことに直ぐ様ひどい頭痛が襲ってきた。

体も重くて起き上がるのにも一苦労だ。

きっと昨日のストレスとかが体調に影響を及ぼしているのだろう。

そう思いながらカーテンから差し込んでいる日差しを見る。それはいつも心地よいのだけれど今日は憂鬱に感じられた。

今日はさすがに学校、行きたくないな。

そう思っても受験生なのだから学校を休むわけにもいかない。

私はなんキロもある重りを足首にくくりつけて、それをひぎずっているように重たい足を無理矢理動かして身支度をし、学校に行った。
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