この曇り空は私と似ていた
ところが、どうしたことか。苦手な問題しか出てこなかった。単語もわからなくて日本語で書いてしまったやつもあるし、さすがに半分も点数はとれないかもしれない。

得意な社会も平均近くはとれそうだけど、今まで一番低い成績となってしまうだろう。

そんな不安ばかりで終わってしまった期末テスト。

結果は悲惨としか言えなかった。どの教科も平均は超えれてなくて、唯一数学だけが高得点だった。

美華吏の方はというと、半分はあっていたようでお互い嬉しくなり、ハイタッチを交わした。


季節は十一月に入り、まだ秋のはずなのに冬のように寒く感じる。

きっといじめられているせいだろう。

いじめられたって全然いいって心の中に言い聞かせてるけど、いつまで持てるかどうかはわからない。

そんな孤独の中で私を支えてくれているのは美華吏の優しすぎる心だけ。

彼はいつも私のことを心配してくれて最近では迷惑なんじゃないかって思うときもある。

けれど助けてくれる人が誰もいないよりかは何倍もましでいつの間にか彼の優しすぎる心に頼ってばかりいた。

今日は雨がざあざあと降っていた。さしていた傘もずぶ濡れで、おまけに風も吹いているからか今にも飛びそう。

私は傘の持ち手を強く握り、風に耐えながらも重たい足を動かして学校へ向かう。

朝食を食べていないからか、胃はからっぽだ。
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