この曇り空は私と似ていた
私はその言葉にきょとんとした。

聞き間違いだよね?

「ごめん。今の忘れて」

美華吏は少し恥ずかしい顔をして、私から目を逸らす。

その様子を見て私は今の意味不明な言葉をスルーするように

「そろそろ帰ろう」

と言ってその場から立ち上がった。

「おう」

美華吏もその場から立ち上がる。

そうして私達は屋上を後にした。


その日の夕食後。私は母に今までのことを順を追って話した。いつも怒られてばかりだから話すかどうか迷ったけれど、学校のことは全然話したことなかったからそうしてみるのもいいかもって思ったのが根本的な理由だ。

「辛かったね。清加。それなのに私はいつも怒ってばかりで申し訳ないわ」

私がすべてのことを話終えると、母は優しい顔をしてそう言った。

予想外の母の反応に私は息をのむ。

確かに私は怒られてばかり。だけど元から悪いのはめんどくさがりな性格である私だ。そう考えれば、母が私に謝る必要なんてありゃしない。
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