この曇り空は私と似ていた
そんな美華吏と離れなければいけないなんて嫌だ。

そう思った時だった。

バタン!

背後から勢いよくドアを開けるような音が聞こえてきた。

途端にその方を振り替えれば、息を切らしてながら立っている陽果と七生がいた。

どうして……?

私とはもう、何も関係を持っていないはず。ただの元幼なじみ。

何をするつもり?

突然の出来事に頭は混乱して真っ白になっていく。

「いつまでも私達が、命令聞いてると思ったら大間違いよ」

陽果が怒ったような口調でそう言う。

命令?

何のことだろうかと私はきょとんとする。

「いじめなんかやったって無駄よ!いけないことだって授業で習わなかった?」

七生は相変わらず冷静で真面目な言葉を言い放った。

そのことで私を助けに来てくれたんだと理解し、顔がぱっと明るくなる。

「今度したらそんときには許さないから。ほら行くよ。清加」

陽果はそう言って私を手招きした。
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