この曇り空は私と似ていた
私は訳もわからない中でも、とりあえずこの場をしのごうと、陽果と七生についていく。

「待って!」

背後から佳奈の声がして振り替える。

「許さなくていいけど謝らせて。ごめん!受験生だってのにこんなことやってる私達がバカだった」

佳奈はそう言って頭を下げる。続くようにつれも頭を下げた。

確かに佳奈達が私にしてきたことは最悪とも言っても過言ではない。

人の物を盗むなんて成人してたら逮捕されててもおかしくはない。それも捨てられている場所がいつもゴミ箱だし、本当に常識はずれだと思う。けれどこんなことが起きなければ私は自殺しようとはしなかった。つまり自分の長所に気づかないままだった。母も私を慰めてくれたりはしなかった。だから変な話かもしれないけど、今ではいじめられてよかったと思う。

これからの私にいじめは必要ない。

結局夢もやりたいことも見つかってないし、何をやってもダメなめんどくさがりな私だけど、長所を見つけれた。それだけで今はこの上なく幸せだ。

それにこんな日々はもううんざりだ。

「許すよ。受験、頑張ろうね」

嘘。私が受験勉強なんか頑張るわけがない。けれど今はこの言葉が一番ぴったりな答えだと思う。

陽果と七生は体育館倉庫を出る。私も続くようにそこをあとにした。

「ひゃっほーい!大成功だね」
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