この曇り空は私と似ていた
「じゃあさっそくだけど、この前やった一学期漢字テストを返します。では、出席番号順に取りに来て」
号令が終わり、みんなが席に着いたのを見て先生はそう言った。
それと同時にクラスメイトが、ぞろぞろと立ち上がり始める。私も席を立ち、教卓の方へ行った。
「はい、糸湊さん。今回もいい成績よ。さすが学級委員ね」
にこにことしながら先生はテストを私に返してくれた。私は笑顔でそれを受け取り、自分の席に戻りながら点数を見る。
結果はほぼ満点と言っても過言ではない、九十八点だった。私は小さくガッツポーズをしながら席に着く。
私のテストの成績はどの教科も同じぐらいだ。つまりいつも九割は点数がとれているということ。そのおかげで先生からも私の評判はいい。家に帰っても母に褒められるばかりだ。
先生は全員分のテストを返し終わり、一つため息をついてからこう言った。
「今回のテストの平均点と最高得点を発表します」
そう言って先生は黒板に白いチョークで数字を書き始めた。
もちろん平均点は余裕で超えていた。そして最高得点も今回は私の点数だった。
いつも真面目で頭がいい七生と、ライバルのように点数を争っているから、心配だったのだ。
私はもう一度、小さくガッツポーズをし、それから筆箱から赤いボールペンを取り出した。テストを返してくれた時に貰った模範解答を見ながら見直しをする。
とはいえ、間違っているのは五十問中たったの一問だけだ。しかもとてもおしい。
それは輪という漢字の部首をごんべんにしていたことだ。確かにそういう漢字もある。だけど答えにはあっていない。唯一幸いなのは七生より上の点数をとれたことだ。
号令が終わり、みんなが席に着いたのを見て先生はそう言った。
それと同時にクラスメイトが、ぞろぞろと立ち上がり始める。私も席を立ち、教卓の方へ行った。
「はい、糸湊さん。今回もいい成績よ。さすが学級委員ね」
にこにことしながら先生はテストを私に返してくれた。私は笑顔でそれを受け取り、自分の席に戻りながら点数を見る。
結果はほぼ満点と言っても過言ではない、九十八点だった。私は小さくガッツポーズをしながら席に着く。
私のテストの成績はどの教科も同じぐらいだ。つまりいつも九割は点数がとれているということ。そのおかげで先生からも私の評判はいい。家に帰っても母に褒められるばかりだ。
先生は全員分のテストを返し終わり、一つため息をついてからこう言った。
「今回のテストの平均点と最高得点を発表します」
そう言って先生は黒板に白いチョークで数字を書き始めた。
もちろん平均点は余裕で超えていた。そして最高得点も今回は私の点数だった。
いつも真面目で頭がいい七生と、ライバルのように点数を争っているから、心配だったのだ。
私はもう一度、小さくガッツポーズをし、それから筆箱から赤いボールペンを取り出した。テストを返してくれた時に貰った模範解答を見ながら見直しをする。
とはいえ、間違っているのは五十問中たったの一問だけだ。しかもとてもおしい。
それは輪という漢字の部首をごんべんにしていたことだ。確かにそういう漢字もある。だけど答えにはあっていない。唯一幸いなのは七生より上の点数をとれたことだ。