この曇り空は私と似ていた
私はわかるわかると言うように頷く。

そのわりにはサボりマンというネーミングセンスが心底、私にはぴったりだと思ってしまう。

「ほんとほんと。おかげで嫌気がさしたわ」

七生は私の机の上に昼食を広げながら困った顔で言う。

その様子を見て陽果も昼食を広げ始めた。

「そういえばさ、清加のお弁当っていつもカラフルだよね。いい意味で」

陽果はいい感じに焼き色がついた卵焼きを口に頬張りながら言った。

私の母はおしゃれ好きで何でも彩りがないと納得しない人だ。だからこのお弁当もベーコン入りの生春巻やブロッコリー、スクランブルエッグやなすの味噌漬けというカラフルな組み合わせだ。それがいつも私の食欲をこれほどまでかとそそる。おかげで残したことは一度もない。

「そうかな?母が作ったんだけど」

「嘘?おしゃれすぎじゃない?憧れるわー」

七生は興奮したような口調でそう言った。

私にはこの彩りに慣れてすぎてしまっているのか、憧れる意味がわからなかった。

そのあともワイワイといろんな話をしながら昼食を食べた。


「今から進路希望調査表を配ります。今週中に提出してください」

帰りの会。浜崎先生はそう言って、進路希望調査表をみんなに配る。

私はその言葉を聞いて机にうつ伏せになった。
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