HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
「だから、高木先生は君の新米看護師の時代を俺の動画を通して見ていた。
最初は父親が娘の成長を見るような目だったらしいけど…次第に高木先生の中で、君が娘から女に変わったようだ。これが証拠だよ」

相馬先生は白衣のポケットからiPhoneを取り出し、隼也さんとの『LINE』のやり取りを見せてくれた。

「これって…」

二人のやり取りの中には隼也さんの私に対するキモチの葛藤が書き込まれていた。

「彼だって…君のお姉さんが許婚だったんだ。
色々と思い悩むのは当然だ。君と一夜を共にして…自分のキモチにけじめをつけようと結婚を決めたようだけど…君にはちゃんと想いを伝えきれていないようだ」

「相馬先生…私…」

「君はお姉さんの身代わりじゃない…君は高木先生に心から愛されている」

身代わりでもいいと何度も言い訊かせて来たけど、もう限界だった。

私が彼だけを見るように、彼にも私だけを見て欲しかった。

「ありがとう…相馬先生」

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