HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
「瑞希…」

「相馬先生から訊きました…動画の話…」

「・・・そっか…私のコトずっと見守ってくれてたんですね」

「まぁな。最初はどうなるかと心配したけど…お前は立派に看護師の仕事こなしてるぞ」

「隼也…さん」

「俺が彩芽の許婚で、彼女を愛していたコトは事実だけど。瑞希は瑞希だ…お前と彩芽を重ねたコトもあったけど・・・今は瑞希だけを見ている…愛してるよ、瑞希」


彼の甘い囁きが鼓膜の奥へと入り、心の中へと染み渡る。

私がずっと待っていた愛の言葉。

「もっと言って…隼也さん」


「愛してるよ…瑞希」

「・・・私も愛してるわ。隼也さん」

「ダメだ…言葉だけでは満たされないな…」

彼はカラダを起こし、私の上へと乗りかかり、愛おしそうに甘い口づけを落とした。

彼の香りも温もりも全てが愛しい。
―――私はもうお姉ちゃんの影に切なさを感じなくてもいいのね…

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