HONEYBEE(1)～アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚～

二十四時間明かりの消えない初療室（ER）
此処が彼の働く場所。

「患者は？」

「六十三才、男性…ゲートボール中に突然意識を失いました…」

私は処置室の入り口で隼也さん達の様子を見守っていた。

診察台に乗せられた男性の衣類をハサミで一人が切り裂き、一人がホルター心電計の機械のパッチを胸に取り付けていく。

救命救急医に求められるスキルは迅速な対応に冷静な判断力。

瞬時に患者がどのような状態かを見極め、正確な対応が求められていく。

「瑞希お前も見てないで…手伝え…」

「でも・・・」

「いいから…部長の俺が許可する」

「分かりました…」

私も加わり､採血を頼まれた。