HONEYBEE(1)～アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚～

「じゃ今、副院長の静佳さんはどうなるんだ？アメリカから帰って来るんだろ？」

「静佳には事務長として頑張って貰う」

「じゃ今の事務長の竹川さんは？」
父と同い年の竹川さん。この病院の立て直しに父と共に尽力を注いだ人。
「彼は体調が優れない。工藤さんがお前に言ったはずだ。世代交代だと」

「大丈夫です。この私が事務長となる静佳さんのサポート役を致しますので…安心してください。高木隼也新院長」

「ありがとう御座います」

俺は工藤さんと最初に会った時から、言え知れない不安があった。
彼は病院の経営のコンサルタントとして尽力を尽くしてくれるけど。
心から信頼は出来ない胡散臭い男性だった。

「そうだ・・・将来的にはお前の院長秘書となる女性を今度紹介するから…楽しみにしていろ。隼也」

「高木院長の知り合いの女性だと訊きましたが…どんな方ですか？」

「人妻だが…美人で頭も良く、気立ての良い女性だよ。工藤さん」

「へぇー…」
工藤さんも父さんの言う美人秘書の素性を知らなかった。
新婚の俺にそんな美人秘書つけるなんて…父さんは何を考えてんだ？

瑞希が嫉妬したらどうすんだよ…。