HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
「『赤ずきん』かおしまい!!皆、部屋に戻ってお薬の時間よ!!」

プレイルームから次々子供たちが出て行き、瑞希は室内に散らばった玩具を片付け始める。
俺も玩具の片づけを手伝った。

「皆、あんなに元気なのに…病院から出れないのよね…」

瑞希は独り言のように呟く。
「そうだな」

側で訊いていた俺は瑞希の独り言に相槌を打つ。

「お前はいつもあんな風に子供たちと遊んでるのか?」

「遊んでないわよ。これが私の仕事よ」

瑞希は誇らしげに言って、玩具の片づけを終え、次は本の片付けに取り掛かった。

「そうだな…遊んでるとか言って悪かったな」

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