HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
陰謀

隼也side~

――――全く厄介な患者だな…

俺と瑞希で瑠生さんを初療室へと運び込んだ。

「俺だって忙しいんだ…手間は取らせないでください…瑠生さん」

「貴方は嫌です・・・他の…医者を…」

「俺が診てやる」

「!?」

アフリカに居るはずの従弟の渚和樹(ナギサカズキ)が白衣を羽織りながら俺達の元に来た。彼の父親は父さんの兄で十年前に亡くなった高木淳介さん。淳介伯父さんは外交官となり、病院は継がなかった。和樹さんが十代の時に両親は離婚。
彼は母方に引き取られ、苗字も母親の旧姓となった。

「和樹さん」

「話は後だ…隼也…患者の状況を教えてくれ」

「はい」

俺は和樹さんに病状を伝えた。

「隼也さん…」

「瑞希、ありがとう…後は大丈夫だ・・・」

付き添ってくれた瑞希に礼を言った。

「後はお任せします。兄をよろしくお願いね…隼也さん」

「あぁ」

< 138 / 262 >

この作品をシェア

pagetop