HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
「まさかこんな風に大事になるとな…やはり…桐生会長に盗み訊きされたのが原因だな…あの人、何にでも、首を突っ込むから…」

「相馬先生のあのバーに居たんですね…」

「んっ、あ…まぁね…一ノ瀬さんは本当に俺達のコト憶えてないようだね…」

「はい、全然憶えていません…」

「・・・半分カマかけたつもりだけど…あの様子だと二人は本当に…一夜の過ちを犯したようだな…」
相馬先生は不敵な笑みを浮かべ、面白げに呟く。

「・・・相馬先生!?」

「でも・・・良かったじゃない…一ノ瀬さんは高木先生のコトスキなんでしょ?」

「それはそうなんですけど…でも・・・彼は…」

彼にとって私は元許婚の妹に過ぎない。

お姉ちゃんが亡くなった夜。
悲嘆に暮れていた彼に告白した私だけど。

見事にお子様だった私はフラれてしまった。

―――あれから十二年…

今は夢のような話だけど、私の初恋が成就するかもしれない…




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