HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
ご指名は美人看護師
私は入院したお兄ちゃんの病室を訊ねた。

「あら、瑞希」

お母さんはお兄ちゃんの入院を訊き、見舞いに来ていた。
お兄ちゃんはカラダを起こして、タブレットを覗き込んでいた。

「やっぱり…隼也さんの所見通り…虫垂炎だったわね」

「悔しいけど…そのようです」

「悔しいって…お兄ちゃんね…」

「社長…久世です」

「入れっ」

久世?

「失礼します」

ドアを開けて入って来たのは元『ジーザス』MR・久世さんだった…

「社長、お荷物をお持ちしました」

「ありがとう。久世。あ・・・瑞希に母さん…紹介する。彼は私の秘書の久世です」

「初めまして…一ノ瀬社長の第二秘書を務めております。久世匠海です。よろしくお願いします」

「よろしく…こちらこそ」

「足りないモノは久世に揃えて貰うから…母さんは何も心配しなくていいよ」

「そう…じゃまた…来るわね…後は瑞希、久世さんお願いします」

「はい」

お母さんは私にお兄ちゃんを任せ、帰ってしまった。

「久世…会社の方がどうだ?」

「今夜の桐生会長との会食は会長が代行致します。スケジュール調整の方も湯村さんが行っておりますので、安心して養生して下さい、社長」

「そう言われても…私も社長就任したばかりで…このようなコトになってしまい…自分が情けないです」
お兄ちゃんは嘆息する。

「そうだ・・・瑞希。久世から荷物受け取ってくれないか?」

「うん」



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