HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
「お兄ちゃん、もしかして…智咲先輩に…」

噂をすると智咲先輩がノックしてバイタルのチェックに来た。

「一ノ瀬さん…バイタルのチェックに来ました」

「はい…」

智咲先輩はお兄ちゃんに電子体温計を渡す。
その後は、手早くお兄ちゃんの右手に血圧計のバンドを巻きつけた。

「智咲先輩…お兄ちゃんが智咲先輩のコト気になってるみたいよ」

「み、瑞希!!!?突然、何を言い出すんですか!?私は何も言ってませんよ」

「血圧は正常ですね…」

「熱が少し高いような気がします」

「どれどれ」

智咲先輩はお兄ちゃんから体温計を受け取り、確かめた。

「私の平熱はその・・・三十六度三分なので…」

「まぁ、でも・・・大丈夫ですよ…それよりも点滴の速さはどうですか?気分が悪ければ。少し遅めにしますけど」
「あ、はい…大丈夫です。
ご心配ありがとうございます」

「いえ…どういたしまして」

「それは誰にでも訊く質問だから…お兄ちゃんが特別ってワケじゃないわよ…」

「…先ほどから瑞希…一言余計です…兄は病人ですよ。精神的な負荷を掛けないでください」

「瑞希たち、とても仲がいいわね…」

「え、あ…まぁね…」

智咲先輩は私達の掛け合いを見て、クスクス笑う。

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