HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
「瑞希、何だか・・・焦げ臭い匂いがするんだけど…」

「あ…今夜の夕食が…」

私はメインディッシュのハンバーグを焦がしてしまった。

フライパンの中で真っ黒になったハンバーグを見つめ、溜息を吐く。

「材料はまだあるの?」

智咲先輩がキッチンに駆け込み、落ち込む私に問いかけた。

「あるけど…ちょっと冷蔵庫、開けていい?」

「どうぞ…」

智咲先輩は冷蔵庫を開けて、食材を確かめる。

「そのハンバーグは捨てて、残りのハンバーグの種を団子にして、肉団子のスープにしましょ」

「あ、はい」

智咲先輩のおかげで隼也さんが帰宅に間に合った。



< 149 / 262 >

この作品をシェア

pagetop