HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
三人は入浴中。
私はシンクに溜まった洗い物を洗っていた。
リビングのソファに座っていたはずの隼也さんがキッチンに入って来た。

「救命の医局部長は、アフリカから戻って来た渚先生が担当するコトになった。俺は来月の救命のシフトから抜ける」

「本格的に院長の仕事に就くのね…」

「まぁな…でも、相馬先生と同じ心臓血管外科医局に異動する」

「医師として仕事もこなすんだ…カラダ大丈夫?」

「とは言っても、年内は院長としての仕事の方が多いと思う。色々と挨拶回りとか、医師会への会合に出席して、顔を売らなきゃいけないから」

「大変だね…」

「・・・患者を診るよりも大変だ。今まで、父さんがやって来たコトだ。お前も院長夫人として頑張ってくれよ」


「うん」

「俺達は二人で一人だ…」

彼は私の背中に抱きつき、肩口に顎をのせて、ギュッと抱き締めて来た。

「隼也さん…」

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