HONEYBEE(1)～アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚～

赤い服の女

隼也side~

仙波さんは美人であるが故に、色々と苦労したようだ。
まぁ、瑠生さんは天然な所があるけど、しっかりした人だから、彼に任せておけば何とかなるだろう。

「ねぇー…隼也さん…今夜は当直だよね…」

「あぁ~」

そんな会話を交わしていたら、俺の目の前に赤い服を着た女性が近づいて来た。

静佳叔母さん…

俺達は足を止めて、互いに見つめ合う。

「久しぶりね…隼也」

「静佳叔母さんもお久しぶりです。元気そうで何よりです」

「貴方が泥棒猫のもう一人の娘？」

「泥棒猫って…何だよ！？静佳叔母さん」

「別に…」
静佳叔母さんは素っ気なく返す。

相変わらず静佳叔母さんは大好きな赤い服を着ていた。
俺から見れば、赤は血の色。

余り好きではない色だった。