HONEYBEE(1)～アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚～

「初めまして…静佳さん…隼也さんの妻になりました。高木瑞希です」

「私の反対を押し切って入籍したの…しかし、彩芽といい、貴方といい…あの女に似てるわね。顔を見てると不愉快だわ」

「不愉快って…静佳叔母さん…瑞希にも寧々さんに対しても失礼ですよ」

「あの女の名前は言わないで…隼也…」

「瑞希お前は先に行けっ」

「え、あ…うん」

瑞希に辛辣な態度を取る静佳叔母さん。
俺は先に瑞希を行かせた。

「俺が選んだ相手だ。貴方の反対など訊く耳持ちませんよ…」

静佳叔母さんと瑞生さんは高木家と一ノ瀬家の曽祖父が決めた許婚だった。
静佳叔母さんは瑞生さんとの結婚を快く受け入れていたが、瑞生さんは反発した。そして、当時秘書を務めていた寧々さんと授かり婚をした。

それに激怒した静佳叔母さんが妊娠した寧々さんを刺し殺そうしたらしい。
でも、瑞生さんが寧々さんを庇い、負傷。

院内で起こったコトだから、父さん達が揉み消したらしい。

でも、今も薄っすらの瑞生さんの腹部にはその傷痕が残ってるようだ。

もう三十年以上昔の話だけど。

今も
寧々さんのコトを恨んでいるのは確かで、何をしでかすか分からない危険人物だった。