HONEYBEE(1)～アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚～

「大体、どっちなんだ？静佳叔母さんの方だろ？工藤さんと共謀して…ウチの病院を乗っ取ろうしてるのは…」

「証拠も無いのに…変な言いがかりしないで・・・隼也」

「皆、わかってるんだ…」

俺と静佳叔母さんが言い争っていると陽依さんが銀色のトレーでコーヒーを運んできた。
来客用に出されるマイセンのカップセット。

「どうぞ」

静佳叔母さんがカップに口を付けたかと思えば、激怒して陽依さんの顔に向かって、コーヒーぶっかけた。

「な、何するんだ！！？」
陽依さんは咄嗟に顔を庇い、腕に熱々のコーヒーがかかった。

「こんな熱々コーヒー出すからよ…下手したら、私の方が火傷してたわ」

「陽依さん…大丈夫か？」

俺は慌てて、彼女を給湯室に連れて行き、患部の腕を袖の上から水道水で冷やした。
「だ、大丈夫だと思いますけど…」

「念の為です…」

十五分程、水道水で冷やして、その後救命に連れて行き、ゆっくりと袖を捲り上げていく。
彼女の白い肌は赤くなっていた。

「ヒリヒリしますよね…」

「大丈夫です」