HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
パパと呼ばれて
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お兄ちゃんは抗生剤が効いて、手術は回避出来て明日退院するコトが決まった。
私と隼也さんの二人で病室を訊ねた。

「抗生剤で何とか手術が回避出来て良かったですね。瑠生さん」
「そうですね…その点は感謝しています。隼也さん」

相変わらず、お兄ちゃんは隼也さんに対して冷たい態度を取っていた。
二人が仲良くなれる日は本当に訪れるのか妹の私は心配だった。
「でも・・・手術を回避出来たと言うコトは剃毛も…」
「剃毛?なんですか?それ」
「別にこっちの話です…気にしないで下さい」

お兄ちゃんは口を噤み、眼鏡を弄って誤魔化した。

その顔色は何処か残念そう。
本気で智咲先輩にして貰うつもりでいたのだろうか?

「智咲先輩たちの荷物はお兄ちゃんの部屋に運んでおいたから…」

入院中でも、部屋に住んでもいいと本人は言っていたけど。
智咲先輩の方が躊躇して、結局、入院中の四日間、私達の部屋に泊まっていた。

「ありがとう御座います」

「まぁ、咲ちゃんはお喋りで、匠君は男の子にしては大人しい子だ。二人ともいい子だ」

「そうですか…それよりも・・・隼也さん貴方…仙波さんに手は出していないですか?」

「はぁ?瑞希の前でどうしてそんなコト訊くんだ…」

「瑞希の前だから…訊くんです」

「お兄ちゃん…二人の間には何もないから…大体、私だって居るし…それに咲ちゃんと匠君だって…」
「・・・いい加減…妹離れしてくれ…その質問は強い悪意を感じる」


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