HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
「じゃ瑞希…本当に有難う・・・高木部長にもお礼言っておいて」

「うん」

私は五人を玄関先まで見送った。

「久世…先に行って。ドアを開けて下さい」
「はい、社長」

お兄ちゃんは久世さんにカードキーを渡した。

久世さんは先に隣の部屋へと行く。

「じゃ瑞希・・・また」

「うん…お兄ちゃん…三人を頼んだわよ」

「瑞希に言われなくても…私は三人を全力で御守りします…」

「じゃバイバイ…お姉ちゃん」

「バイバイ」

「瑞希、有難う…」

私は共用廊下に出て四人を見送る。と言っても部屋は隣同士だけど。

四人の姿は本当の家族のよう。

ほんの束の間の、智咲先輩親子との同居生活。

双子ちゃんの可愛い声で賑やかだった部屋はシーンと静まり返っていた。
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