HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
正式に院長と理事長の椅子に座った隼也さん。

「これから大変ね…」

「まぁな…」
久しぶりにホームバーが開店。
今年も後二週間程でおしまい。

来週は隼也さんと結婚して初めてのクリスマスを迎える。

二足の草鞋をいやその上、医師としての仕事もこなそうとしている。

「でも・・・本当にカラダ大丈夫?」

「父さんだって俺と同じで三役こなしたんだ…大丈夫さ」

「でも・・・」

「色々と人事を入れ替えたけど…コンサルタントの工藤さんの知り合いばかりがウチの事務部で働いている。だから…いつ…二人に病院を乗っ取られてもおかしくない」

「…」

彼はカウンターに立って、お喋りしながら私にワインクーラーを作ってくれた。

「今は医療利益が赤字の病院が六割に達している。ウチもそうだからさ。そう言う赤字の病院を乗っ取って、生保患者を使った貧困ビジネスで儲けようと企むヤクザも居る。工藤さんのバックにはそう言った…反社会的集団の影が見えるんだ」

「それって本当なの?」

「だから、その証拠集めに紡さん達が奔走しているし、人事異動もその対策の一つだ。静佳叔母さんは何処まで関与しているのか分からないけど…ウチの身内だ…身内からは犯罪者は出したくない」



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