HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
私も応援に来ていた乾看護師長の指示に従い、手当てにあたった。

事件のコトを訊きつけ、この病院への救急搬送は停止。
怪我人の受け入れは周辺の病院や診療所に任せるコトとなる。

皆が一団となって怪我人の手当てに当たったのが功を称し、治療は一段落した。

救命救急医局のモニターには隼也さん達の弾丸摘出手術の全景映像が流れていた。

術中の進行状況をモニタリングをするのは初めて。

「さすが…高木院長のメス裁きは早いな…」

「院長と相馬先生のコンビのオペって初めてじゃない」

「騒ぎを起こした張本人の命の救うのも…何だかな・・・」

皆、口々にモニタリングしながら言い合う。

初めて見る隼也さんのオペ姿。これが彼の仕事。
彼の雄姿に妻としてときめいてしまう。

「高木院長もカッコ良かったけど…瑠生さんもカッコ良かったわよ…瑞希」

「智咲先輩…」

「本当に私事で…皆さんにご迷惑お掛けして、申し訳ありませんでした…」

この場に居た全員に智咲先輩は深々と頭を下げた。

「君が責任を感じるコトはないよ。仙波さん」

紡さんが彼女の元に来て、フォローしてくれた。

「君がきっかけかもしれないが…事件を起こしたのは君に勝手な恋情を抱いた犯人だ…今は院長たちのオペの成功を祈って…見守ろう…そして…彼には罪を償って貰おう」

「伊集院さん…」

「頭を上げて…君は堂々としていればいい…」





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