HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
御手洗いから出ると、目の前にはスマートフォンを弄る隼也さんの姿が見えた。

「余りにも遅いから…迎えに来た…」

「そうなんだ…ゴメンなさい…」

「んっ?瑞希お前…その耳…」

「私よりも瑞希さんの方が似合うと思って、お貸ししました。院長」

「あ…そうなのか…」

「じゃ私も紡さんと合流しないといけませんので、失礼します」

陽依さんは穏やかな笑みを湛え、紡さんの元へと行ってしまった。
「瑞希の方が似合うからって…そのイヤリング…ダイヤだろ?高いだろ?」

「多分…」

「でも・・・似合うな…」

隼也さんは照れくさそうな表情で私の耳許のイヤリングに触れ、揺らした。

「ありがとう…」

「お前も女だし…光物はスキだよな…」

「え、あ・・・うん」

「今度、買ってやるから…人から借りるな…」

「うん…」

「行こうか?腹は大丈夫か?」

「大丈夫よ…」

柊也さんの腕に腕を絡めて、夫婦揃って会場へにインした。
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