HONEYBEE(1)～アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚～

馴染みのある医者の顔もチラホラ。
「高木院長…」

黒髪をツーブロックスタイルに仕上げ、野心に満ちた切れ長の双眼に通った鼻筋に厚みのあるエロチックな唇の男性が近寄って来た。

「紹介する。彼は『フロンティアカンパニー』の宇佐美充斗社長だ」

「初めまして…高木瑞希です」

「君のコトは知ってる…一ノ瀬社長の妹だろ？」

「はい…」

良く見れば、久世さんとどことなく雰囲気は似ていた。

宇佐美社長をジッと見つめている隼也さんが咳払いをする。

「俺は別に高木院長の奥さんを食おうとは思っていないが…」

「…俺は何も言ってませんが…」

「…目がそう言っていましたよ…」
宇佐美社長は目尻を下げ、思いっきり笑った。
一見冷たそうな印象を受けるけど、気さくな雰囲気の人だった。

「まぁ、ゆっくりパーティを楽しんでくれ。高木院長」

「ありがとう…宇佐美社長」