HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
お兄ちゃんは虫垂炎の手術を終えた。術後、父と母、智咲先輩、咲ちゃんと匠君、私の五人と対面した。

父と母も双子ちゃんがお兄ちゃんの実子と知り、安心して、今では二人の孫にメロメロ。
クールな父の顔も孫二人にはゆるゆる。

「パパ、だっこ」

ベットの上で上体を起こすお兄ちゃんに咲ちゃんは抱っこをねだる。

「今はパパ…おなかきったばかりだから無理よ。咲」
智咲先輩が咲ちゃんを諭した。

「パパ・・・ぽんぽんきったの?いたいの?じゃさきがね・・・おまじないしてあげる。いたいのいたいのとんでけーー!!」

咲ちゃんは手術したお兄ちゃんのお腹におまじないをした。

「パパ、いたくなくなったでししょ?」


「ん、あ・・・そうですね・・・咲、ありがとう御座います」

「どういたしまして・・・」

「咲ちゃんはお喋りが上手ね…」

母はお喋りな咲ちゃんを褒めた。

「匠よりも咲はお喋りは上手で…」

「昔の瑞希を見てるようです。女の子って本当に可愛いです」

「お兄ちゃん…目つきが何だか怪しいんだけど…この子は正真正銘、お兄ちゃんの娘だからね」

「何を言うんですか!?瑞希…この私を変質者扱いしないでください」

「でも、瑞希の言う通り…怪しかったわよ。瑠生」

「母さんまで!!?何を言うんですか!?」




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