HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
「咲ちゃん、じぃじが抱っこしてあげよう」

「うん」

父は咲ちゃんを抱っこする。

「じぃじ、ダイスキ!!」

「そっか…じぃじがスキか…」

「うん」

父の普段はクールな顔も咲ちゃんの前では崩壊していた。
「じゃ私が匠君を抱っこしてあげる」
母が父に対抗して、匠君を抱っこする。

「瑠生…智咲さんの母親とは実は知り合いなんだ…
お前も泊まりに行ったコトあるだろ?群馬の老舗旅館『光泉閣』」

「え、あ…智咲の母親はあの『光泉閣』の女将なんですか?」

「あ…うん…でも、今は少し体調崩して、姉が女将を務めているの」

「へぇ…そうだったんですか…知れば知る程、私達がご縁があったんですね…出逢うのは運命的だったかもしれませんね。智咲」

「瑠生さんってば…」

「瑠生が退院したら、挨拶に行くぞ…」

「それは当然です…」

父とお兄ちゃんが頷き合っているとプーとおならの音。

犯人は勿論お兄ちゃん。

「ママ…パパがプーしたよ・・・」

「そうね…無事にガスが出て、安心ですね・・・瑠生さん」

「まさか…こんな家族のまで出るとは…一生の不覚です…」

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