HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
「二人ともおりこうさんね…ママの言うコトちゃんと訊くのね」

母は二人の頭を撫でた。

「じゃ俺達は帰るぞ。無事にガスも出たし、食事も出来るな。ちゃんと養生するんだぞ。瑠生」

「はい…」

「仕事のコトは心配するな…」

父は咲ちゃんを下ろし、母も匠君も下ろした。

「後は頼みますよ…智咲さん」

「はい」

「じゃ瑞希もバイバイ」

「またね…」

二人は先に手を振り、先に帰ってしまった。

二人と入れ違いに、宇佐美社長が見舞いに訪れる。

「一ノ瀬社長、具合はどうですか?」

「あ…宇佐美社長…」

「あ…いちごだ・・・咲、ダイスキ!!」
宇佐美社長が見舞い品として持って来たのは苺だった。

「ボクもダイスキ」

「たくはすぐにあたしのまねする」

「まねしてないもん」

「一ノ瀬社長のリクエストで、苺持って来たのに…お子様たちのスキな食べ物だったんですね」

「ありがとう御座います。宇佐美社長」

智咲先輩が宇佐美社長から苺を受け取った。

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