HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
白血病で入院した隼君の病室は一番奥のクリーンルーム(無菌室)
病室の窓からキレイな景色が見えるわけでもなく小児病棟の中では一番殺風景な場所。
検査の時だけ、出ることが許され、後は室内の閉塞感の中で大人の人間でも辛いとされる白血病の治療に耐えないといけない。

麻由香さんは、保険の外交官の仕事をしているらしい。

今日は有休を取って、隼君のそばに居た。

「隼君の担当看護師をさせていただくコトになりました。高木瑞希です」

「私は貴方の姉の彩芽の親友だった千鳥麻由香です」

「よろしくお願いします」

「隼、一人でお留守番できるよね」

「うん」

隼君は小学二年生。もうすぐ三年生になる。
私達はクリーンルームを出て、外の休憩ルームの椅子に腰を下ろして話をした。

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