HONEYBEE(1)～アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚～

「彩芽から貴方を紹介された時は小学生だったわね」
「はい」

一度だけ、私と麻由香さんはお姉ちゃんの病室で顔を合わせているらしい。
でも、私には記憶がなかった。
適当に彼女の話に合わせて頷く。

「まさか…彩芽の許婚だった隼也さんと結婚したなんて…驚いたわ」

「そうですか…」

「だって。彩芽が生きていれば、隼也さんは彩芽のモノだから」

この人、静佳さんに似ている。
この遠回しな物言いが怖かった。

「でも、お子さんは居ない様ね…」

「えぇ、まぁー・・・」

改めて、子供のコトを言われ、ふと今月の生理が来ないコトに気づいた。

「私も仕事があるので、平日は病院の方に足を運べない日があると思いますので、隼をよろしくお願いします」

「あ、はい…こちらこそよろしくお願いします」