HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
工藤さんは病院を乗っ取れないと判断し、先月末でコンサルタントを下りた。

ヤクザならまだよかったが…バックに居たのは中国マフィアで、工藤さんは乗っ取りに失敗し、落とし前を付けさせられたようだ。

「静佳さんの方には護衛を付けているから安心しろ…」

「ありがとう御座います」

「…まぁ、静佳さん一人では、何も出来ないさ…さっさとアメリカに帰ってくれないかな?」

紡さんも自分の淹れたコーヒーでひと息ついた。

俺達はひと息を付いているとノックの音。

「血液外科の小林です。院長」

「入ってくれ」

隼君の担当医師の小林先生がドナー検査の結果を持って来た。

紡さんは給湯室に行き、小林先生のコーヒーを用意する。

俺と小林先生が応接ソファを囲んで、結果を訊く。

「院長、千鳥隼君とのHLAが一致しました。これが結果です」
< 215 / 262 >

この作品をシェア

pagetop