HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
エピローグ*旅立ち
私のお腹も七ヵ月目に入った。
東京のベイエリアにある『ジュテーム東京』

白亜のチャペルと緑豊かな庭園が売り物の結婚式場。
結婚式以外でも色んな用途で利用可能な施設だった。

「父さん、落ち着いて下さい」

花婿のお兄ちゃんよりもお父さんの方がソワソワして落ち着かなかった。

「落ち着いてなどいられるか…瑠生お前はどうしてそんなに落ち着いていられるんだ?」

「もうとっくに入籍してますし、一緒に住んでます。結婚式は形式だけの話ですよ。父さん」

お兄ちゃんは優雅にコーヒーを啜った。

「この分だと…瑞生さん…隼也君と瑞希の結婚式はもっと落ち着かないもしれないわね」

お母さんが私達にそっと囁く。

「じゃ俺達は写真だけにしとくか…」

「えぇ~っ!?それは嫌よ…私はちゃんと結婚式したいんだけど」

「そうなのか?」

「一生に一度のコトじゃない・・・」



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