HONEYBEE(1)～アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚～

食事後、隼也さんは私と一緒に小児科病棟のナーススーテションに足を運んだ。
隼也さんと私のツーショット姿に皆が騒然とする。

「院内は、俺と一ノ瀬さんの婚約の噂が流れていると思いますが、それは事実です。結婚の際は色々とご迷惑をお掛けすると思いますが、その際は温かい目でお願いします」

――――隼也さん！？

「で、少し俺の未来の花嫁をお借りしたいのですが。よろしいですか？乾看護師長」

「え、あ…高木先生のお願いなら…喜んで…一ノ瀬さん…高木先生のお手伝いをしてあげなさい」

「あ、はい…」

「じゃ行こうか？瑞希」

ずっと想い続けて来た相手に未来の花嫁と言われ、心臓は極上の嬉しさで早鐘を打ち鳴らしていた。


「乾看護師長。少しだけ救命救急に行って参ります」

私も乾看護師長に頭を下げて、隼也さんの後をついて行った。