HONEYBEE(1)～アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚～

救命で忙しなく動き回るスクラグに白衣を着た彼の姿しか見ていない私。
こうして、優雅にコーヒーを啜る隼也さんの姿を見るのは初めて。

本当にこうやって…二人で食事をしていると新婚さんのよう。

カラダの奥が知らず知らず甘い疼きを感じ始める。

「どうした?顔が紅いぞ…瑞希」

「え、あ…別に…何でも…」

「もしかして…お前も実は昨日のコト憶えてるのか？」

長い睫毛に縁どられた切れ長の黒い瞳が私を怪しく見ていた。

「べ、別に…」

「・・・瑞希…お前…今でも…俺がスキなのか？」

「えっ？」

「酔ったお前がそう言っていた…」

「えぇ～っ！？」

「・・・女はマジで魔物だな…俺が知っていた瑞希とは別人だった…お前ももうガキじゃないってコトだな」

「隼也さん！？」

「ほら、早く飯食えっ。急ぐぞっ！！」