HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
マキって誰?誰??誰なの?

私はカラダを起こし、彼のスマートフォンを睨んだ。
隼也さんは不在だと思い、相手のマキさんは電話を切った。

「瑞希お前、起きてたのか?」

隼也さんはバスローブ姿。

「あの…マキって誰ですか?」

「マキ?あ…お前も良く知ってる…『東亜』の後輩の槇村だ」

「あ…槇村先生ですか…何だ…槇村先生か…」

私は胸を撫で下ろした。

「お前…勘違いしたな…瑞希」

「え、あ…まぁ―・・・」

私は要らぬ嫉妬をしてしまった。

「嫉妬するなんて…嬉しいな…」

彼はベットの端に腰を下ろし、私の頭を撫でた。

「槇村先生が何の用かな?」

「さあな…でも、アイツが出張医として来るのは今週だからな…また、泊めてくれの催促かな?」

「泊める?」

「あぁ~でも、急な分娩や手術が入れば…泊りには来ないけどな…」

「槇村先生…隼也さんの所でお泊りして、当院の診察に来られていたんですね」

「まぁな。でも、俺も独り身ではなくなった。もう泊められないと言わないといけないな」

「私は別にいいですよ…槇村先生、面白いし…」

「はぁ?俺が嫌なんだよ‥・折角の新婚生活に水差されるのは困る」

新婚生活か。
そうやって、私がスキな振りをするけど、私はお姉ちゃんの身代わり。
思わせぶりな彼の言葉に翻弄されていた。

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