HONEYBEE(1)～アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚～

「ある日、猛暑の続く夏場…当直明け、廊下で寝てしまって…そのまま熱中症になったコトもあっただろ？お前」

「そんなコトもあったな…結構あの廊下…陽射しあたるから…夏場にいつもの調子で寝てしまって…そのまま…熱中症になって…救命に運ばれたんだ…」

「全くあれは迷惑な話だった…」

「院長には笑われて、医局長には『医者としての自覚が足りない』とめちゃめちゃ怒られて…始末書書かされたな…」

「マジで足りないぞ。槇村」

「でも、廊下のひんやりした感触がスキなんだけどなぁー…」

「お前、俺の病院の廊下で寝たら、踏むぞ。槇村」

「皆さん、お肉焼けてますよ」

槇村先生の話で盛り上がりながら、霜降りカルビにタレを付けて、口に運んだ。

「美味い…」

「牛タンはないのか？」

「牛タンか…今度泊り来る時、持って来ます」

「お前、また泊りに来るつもりか？」

「ダメ？」

「甘い新婚生活を送らせてあげないと…槇村先生」

「甘い新婚生活ね…」