あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
今日の慧君、何だかぎこちない感じがする。


いつもとちょっと違うような…


キッチンには私と慧君の2人きり。


あんこさんと果穂ちゃんは、別の仕事をしていた。


とにかく、私はパン教室のことを相談した。


慧君は真剣に話を聞いてくれて、いろいろ話し合い、1番扱いやすそうでパン作りに向いてる強力粉を選んでくれた。


もちろん、味も保証付きだって。


東堂製粉所の物はどれも良いものだってわかってるけどね。


私、本当にみんなに支えられてるよね。


思わず感謝の気持ちが溢れる。


慧君と話してて、少し勇気も出てきたし。


精一杯できること、頑張らなくちゃね。


「あのさ、雫ちゃん。今日…この後、時間ないかな?」


珍しいな、慧君からの誘いなんて。


「ごめん、今日は…」


なのに、私、断ってしまった。


今夜は、特に何も予定なんかないのに。
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