あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
どうしても慧君が私を好きだなんて受け入れられなくて。


何ていうんだろ?


そう…


『青天の霹靂』


っていうのかな、こういうの。


「いいよ、大丈夫だから。好きな人がいるならフッてほしいし。返事とか…全然すぐじゃなくてもいいから」


「慧君…」


私は、好きな人がいるとも、いないとも、慧君のことをどう思ってるとも…


何ひとつ言葉にできなかった。


頭が真っ白になり過ぎて…


「じゃ、じゃあ、行くね。いつかまた誘うから…今度はどっか行きたいな…」


「…あ、う、うん。ごめん…」


本当に、どう返事すればいいかわからなかった。


慧君は、そのままキッチンを出ていった。


1度も振り返らずに…


ドアが閉まった瞬間、後ろから呼ぶ声にドキッとした。


「雫さん…ひどい!」


果穂ちゃんだった。


半分泣いて…


半分はすごく怒ってる。
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