あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
「そうだよね…慧君は…本当に素敵だよね」


慧君の優しさは私もよくわかってる。


「でも、雫さん。慧君のこと好きじゃないならさっさとフッて下さい! 雫さんの回りには、榊社長もイケメン大学生もいるじゃないですか。もう…本当に…誰でもいいから早く決めてよ!」


語尾を強め、声を荒らげる果穂ちゃん。


それだけ気持ちが追い詰められてるってことなの?


でも、そんなこと言われても私には…


その時、あんこさんが入ってきた。


「いい加減にしなさい。果穂ちゃん、言い過ぎだよ」


「あんこさん! 聞いてたんですか?!」


果穂ちゃんが言った。


「声が大きくて向こうまで聞こえてきたよ。雫ちゃんのことを責めるのは間違ってる。慧君が雫ちゃんを好きなのは仕方ないことじゃない。雫ちゃんは何も悪くないよ」
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