あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
「申し訳ありません。実は社長が急な出張になりまして…つい先程、出られました。大変恐縮ですが、持ってきた頂いたパンは…私が全部食べるようにと社長から言われまして…」


申し訳なさそうに言う、前田さん。


今日は…祐誠さんいないんだ。


何だろう?


このホッとしたようで、残念な気持ちは…


「そうなんですね。前田さんに食べてもらえるなら嬉しいです。店長が一生懸命焼いたパンですから、ぜひ召し上がって下さい」


私は笑顔でパンを手渡した。


「ありがとうございます。美山様、少しお時間よろしいでしょうか? ロイヤルミルクティーをいれますので、パン教室について話しませんか? 社長にも詳しくアドバイスしておくようにと言われていますので」


前田さんは、メガネを少し動かした。


「本当ですか? それはすごく助かります。こちらこそ、ぜひよろしくお願いします」


私は頭を下げた。
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