あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
「良かったです。では応接室へどうぞ、美山様」


「あの…その呼び方、なんとかならないですか? すごく堅苦しいし、私なんかに様はいらないです。もしくは下の名前でも…」


「いえ。私は雫さんなどとお呼びすることはできません。では、お言葉に甘えて美山さんと…」


雫っていう名前は覚えてくれたんだ。


ちょっと嬉しい。


「はい。それでお願いします。ありがとうございます」


私はまた微笑んだ。


応接室に入って、ソファに座るよう促され、前田さんはロイヤルミルクティーを出してくれた。


とても高価なカップなんだろう。


白を基調にして小さく可愛いお花の絵が入った素敵なティーカップ。


それだけでリッチな気分が味わえた。


「どうぞ、この前と同じものですが」


「良い香りですね。またいただけるなんて嬉しいです。本当にありがとうございます」


「喜んでもらえて…なによりです」


1口飲んだら、幸せが口の中に広がった。


「ホッとします。何度いただいてもすごく美味しいですね」
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