あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
「わかった~後で絶対来てよ」


「はいはい」


私はすぐに彼を追いかけた。


「ちょっと!」


「え? あ、あなたは…」


私を見て驚いてる。


「君、希良君だったよね。『杏』に雫さんに会いにきてた」


「あっ、はい…あなたは確か『杏』の…」


「え~! 私の名前、覚えてくれてないんだ~」


わざと可愛子ぶった。


「す、すみません。えと…」


「果穂。直江 果穂」


「あ…直江さん」


何でそっちよ。


私は苗字で呼ばれるタイプじゃないでしょ。


「果穂でいいよ~ところで君、雫さんと会ってるの?」


そう聞かれて、希良君は戸惑ってる。


「この前『杏』にパンを買いにいって…少しだけ会いました」


ちょっと元気なさげ。


「ねえ、希良君って…雫さんのこと好きなんだよね?」


ストレートに質問をぶつけてやった。


困惑した表情。


「……」


黙る希良君。
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