あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
ついつい声が弾む。


本当に、前田さん始めスタッフのみんなにはよくしてもらってるから。


「楽しそうで良かったよ。不安でドキドキしてるかなって、ちょっと心配だったからね」


「もちろん不安だよ。でも…慧君やみんなが支えてくれてるから…安心できてる。だんだん楽しみになってきたよ」


「俺は…雫ちゃんを支えられてないよ。全然、力になれてない」


声が沈んでいくように聞こえた。


「そんなこと言わないでよ。いろいろ相談にのってもらったし、こうして電話で励ましてもらってすごく力になってるよ」


「雫ちゃんには店に行けば会える。それは嬉しいけど…」


慧君の言葉が数秒止まった。


「慧君、大丈夫?」


「この前、俺…好きな人がいるならフッてくれとか、また誘うからとか言ったけど、本当はフラレるの、すごく怖い。雫ちゃんを誘う勇気もない。こんな情けない自分が嫌になって…でも、どうしても今、雫ちゃんの声が聞きたかったんだ」
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