あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
「はい。希良君?」


「雫さん元気?」


爽やかな明るい声が、私の心を少し落ち着かせてくれた。


「元気だよ。希良君は?」


「うん、なんとかね。大学も2年だし、ちゃんと勉強も頑張らないとって思ってる。雫さんもイベントもうすぐだよね、頑張って」


相変わらず敬語無しで…


でも、それが希良君の良いところ。


「ありがとう、頑張るね。希良君も2年生で大変だね」


「この前さ…大学であの人に会った」


あの人?


「『杏』でバイトしてる…直江さん。たまたまバッタリ…」


「そうなんだ。果穂ちゃんと同じ大学だもんね」


東英大。


本当に2人とも頭がいいんだな。


「あの人って、どういう人?」


「どうって…?」


「僕は人のことを悪く言うのはあんまり好きじゃないけど…あの人は自分の思いが前のめりで、他の人の気持ちとか…わからないのかなって」
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